2021年健康・医学breakthrough top 10という次第
The top 10 health and medicine breakthroughs of 2021
From novel vaccines to an ultra-sharp CT scanner, these are the Best of What’s New.
By Claire Maldarelli , Rebecca Sohn | Published Dec 1, 2021 7:00 AM
｢イノベーション・オブ・ザ・イヤー｣は “ COVID-19のための2つの画期的なワクチン”。まぁそうなるわな。
この注射は、現在市販されている他のどのような予防接種とも異なっている。このワクチンは、数十年前から開発が進められている、いわゆるmRNAワクチンと呼ばれるものである。メッセンジャーRNAは、細胞にタンパク質の作り方を伝える遺伝子の断片である。このワクチンは、COVID-19を引き起こす新型ウイルスであるSARS-CoV-2の外側にあるタンパク質を作る指示を持つmRNAを搭載している。私たちの体は、この誤ったmRNAの命令をすぐに破壊するが、細胞が対応するタンパク質を作るまでには至らない。そのタンパク質が特殊な免疫細胞に付着すると、免疫システムはそのタンパク質を侵入者として認識し、それに対する抗体を作るようになる。ワクチンを接種した人がSARS-CoV-2に接触した場合、これらの抗体は活動を開始し、ウイルスを複製し、コントロールできなくなる前に破壊し、病気を阻止することができるのである。
この2つの注射は、驚くほどよく効く。臨床試験では、2回接種のレジメンはいずれもCOVID-19の有症状者を少なくとも94％予防する効果があった。また、このワクチンは入院をほぼ100%防いでいる。ウイルスの蔓延を食い止めるには、さまざまな予防接種が不可欠であるが、この2つのmRNA療法は、パンデミックの経過を変え、予防医学の将来を変える可能性を秘めているのである。
以下、別に順位を評価しているわけではないが・・・
２位：Zokinvy
Hutchinson-Gilford progeria syndromeと診断された人が15歳以上生きることは稀で、これまではその症状や合併症を対象とした治療法しかありませんでした。この病気は、遺伝子の変異により、保因者の細胞の核にあるタンパク質の形状が変化することで発症します。progerinと呼ばれるこの欠陥タンパク質は、細胞を早期に死滅させる。Zokinvyは、欠陥のあるプロジェリンが蓄積されるのを防ぐことで、progerinがもたらすダメージを最小限に抑えます。この新薬は、寿命を数年延ばすだけでなく、世界中で約400人の子供が罹患しているこの稀な疾患に伴う心臓や骨の問題の症状も軽減します。
３位：遺伝子治療のbig step
2012年以来、研究者たちは、ヒトゲノムを簡単に編集できる遺伝子編集ツール「CRISPR」に手を加え、DNAの変異によって引き起こされる病気の治療を目指してきた。しかし、今年までは、微調整した幹細胞を患者に注射するこの方法は、鎌状赤血球貧血など、変異が血流に乗っている疾患の治療にしか使われていなかったのです。2021年8月、研究者たちは、 transthyretin amyloidosisという珍しい肝臓の病気を引き起こす遺伝子の欠陥を修正しようとした6人の臨床試験の結果を発表した。lipid nanoparticleと呼ばれる小さな塊:blobに包まれた遺伝子編集技術は、肝臓に到達し、そこで欠陥のある細胞を修正するために働いたのである。この治療法は、まだ臨床試験の第一段階にあり、市場に出るまでにはまだ長い道のりがある。しかし、もし成功すれば、さまざまな遺伝的疾患を治療する道を開くことができるだろう。
４位：Ebolaのgame-changing shot
ザイールエボラウイルスに感染すると、高熱、重度の出血、臓器不全が起こり、半数が死亡すると言われています。バイオテクノロジー企業リジェネロンの研究者たちは、この病気をターゲットに、免疫システムの自然な防御の働きを模倣したモノクローナル抗体（研究室で作られた分子）を作りました。 Inmazebは、エボラウイルスの表面にあるタンパク質を標的とする3つの抗体の組み合わせである。臨床試験では、 Inmazebを投与された154人のうち66.2%が生存したのに対し、投与されなかった153人のうち49%しか生存できませんでした。確実な治療法ではないが、モノクローナル抗体は多くのウイルス性疾患の治療において極めて重要である。FDAは2021年にCOVID-19に対する2つのモノクローナル抗体療法に緊急使用認可を与え、エボラの治療にも別のものを認可した。
５位：COVID-19の自宅検査
医者に行かずにCOVID-19の状態をチェックできるようになりました。検査は、鼻腔スワブ、スポイト、処理液、分析器から構成されています。アプリでステップバイステップの説明を受けることができます。ブルートゥースでアナライザーを接続し、処理液をスポイトに入れ、両方の鼻の穴を綿棒で拭き、綿棒をスポイトに取り付け、アナライザーに5滴垂らし、15分ほど待つと結果が表示されます。Ellumeによると、この検査では95％の確率で陽性、97％の確率で陰性を識別できるそうです。
６位:：ACL損傷治療の改善
ACL（前十字靭帯）は、膝の真ん中を斜めに伸びており、私たちの体を直立させ、安定させるために欠かせない存在です。2016年のJournal of Clinical Orthopedics and Traumaによると、膝の重大な傷害の最も一般的な原因は、この靭帯の損傷であるとされています。断裂したACLを修復するためには、手術や、時には再建術（体の他の部分やドナーから腱や骨の一部を採取し、断裂した靭帯を再構築する侵襲的な処置）を行う必要があります。FDAが新たに承認した BEAR Implant は、そのような材料の代わりとなるものです。牛のコラーゲンでできたこのインプラントは、ACLの断裂した両端の間に固定され、両者を結合させます。患者さんの身体は数ヶ月でこの装置を吸収し、その頃には新しい健康な組織がその場所に生えてきます。
７位：CTスキャンがより正確に
CTスキャンは、人体内部の詳細な画像を提供し、病気やケガの診断や追跡に役立ちます。従来のスキャナーは、複数のX線から得られるエネルギーを合計して画像を作成していました。その際、X線のエネルギーが失われるため、解像度が低くなってしまいます。シーメンスの新しいスキャナー「Naeotom Alpha」は、光子を数える検出器を使用して、透過してくる光の粒子をすべて測定し、体の内部構造をより鮮明で高コントラストな画像にします。
シーメンスは，15年以上の歳月をかけて研究開発したPhoton-counting CTを世界で初めて製品化し，「NAEOTOM Alpha（ネオトムアルファ）」（薬機法未承認）をRSNA 2021でアンベールした。
Photon-counting検出器は，検出器に入射したX線が半導体内で電子・正孔対を発生させ，電子をマイクロ化した陽極ピクセルに掃引し，パルスとして個々にカウントして計測信号を得ることで，X線の強度とエネルギーを検出する仕組みとなっている。この機構により，Photon-counting CTでは，(1) 計測信号から電気ノイズを完全に除去することができ，低線量撮影で低ノイズの画像を取得できる，(2) 相対的に低エネルギー側の感度が高いことで，軟部組織や造影剤のコントラストが高くなる，(3) 単一検出器で複数のX線エネルギーを計測でき，K吸収端イメージングによるマルチマテリアルイメージングが可能，(4) 空間解能はセンサーの陽極ピクセルの最小サイズに規定されるため，高空間分解能撮影が可能，といったメリットが得られる。
８位：今までで一番お求めやすい価格のインスリン：bio-similar製剤のこと
インスリンは保険に加入している人であっても、非常に高価な製品であることに変わりはない。しかし、Semgleeはそれを変えることができる。Semgleeは、互換性のあるバイオシミラーインスリン製剤であり、この種の製品としては初めてFDAの承認を得た。バイオシミラーとは、生物学的療法（ホルモンやワクチンなど）のうち、すでにFDAの認可を受けて市販されているものと意味のある違いがないもので、薬剤師がブランド薬と交換できるジェネリック医薬品と考えればよいが、交換するために医師の事前承認は不要である。Semgleeは、10mLバイアルと3mLプレフィルドペンがあり、1日1回皮下投与され、インスリンのネームブランドであるランタスと医学的に同一である。
９位：マラリアの初めてのワクチン
グラクソ・スミスクライン社のMosquirixは、数十年の歳月をかけて開発されたワクチンで、マラリアの原因となる5種類の寄生虫のうち最も致死率が高く、アフリカで最も流行しているマラリア原虫に対する免疫反応を引き起こします。このワクチンは、世界保健機関（WHO）から承認され、より広い範囲での配布と使用が許可されました。このワクチンの効果は50％程度であり、1年後には著しく低下しますが、マラリアを予防する最も有効な方法の一つです。
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１０位：イースト菌感染症を追放する新しい方法
CDCに従って、米国の約140万人は腟のイースト伝染のための医者へ毎年行く。市販の治療薬がよく効く一方で、より頑固なケースは抵抗することがあります。Brexafemmeは、20年以上ぶりの新規抗真菌剤で、triterpenoidsという全く新しい分類に属する。膣内イースト菌感染症の原因となるカンジダ菌の周囲に保護膜を形成する酵素を阻害することにより作用する。この被覆がなければ、微生物はすぐに死に絶える。2錠の製剤は数日で効き始め、2週間ほど体内に留まるので、再発を防ぐことができます。
